2010 Fiscal Year Annual Research Report
二軸移動磁界攪拌による超微細結晶粒を有するダイカスト用半凝固金属スラリーの製造
Project/Area Number |
21760597
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
嶋崎 真一 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教 (00447145)
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Keywords | 金属生産工学 / 電磁攪拌 / 半凝固スラリー / 初晶微細化 / アルミニウム / ダイカスト |
Research Abstract |
カップ法と二軸移動磁界攪拌法を組み合わせることにより、ダイカスト用スラリーの製造試験を行った。 垂直移動磁界と回転移動磁界の印加条件の組み合わせを様々に変更し、二軸移動磁界攪拌がスラリー組織に及ぼす影響を調査した。その結果、注湯初期段階では回転移動磁界攪拌を印加し、注湯の途中から垂直移動磁界攪拌を印加する逐次印加が、最も良好なスラリー初晶組織を生成できる事が明らかにされた。 スラリー組織の観察においては、初晶の形態を評価するためにEBSP(Electron BackScattering Pattern)測定を行った。EBPS測定による初晶径と光学顕微鏡測定による初晶径を比較することによって、二次元断面観察では判別することができない初晶粒子の三次元的な構造を推測する事が可能となる。測定の結果、二軸移動磁界攪拌によって、初晶の形態が小さくかつ丸い形状に変化している事が定量的に評価された。 また、スラリーとカップの詳細な温度測定を行い、温度分布の経時変化を評価した。その結果、攪拌を印加することによって、溶湯内部の温度が均一化され、カップと溶湯の温度差が小さくなる傾向にあることが分かった。さらに、これらの温度データを用いて溶湯-カップ間の見かけの熱伝達係数を評価し、撹拌によって熱伝達係数が大きくなる事が明らかにされた。初晶の大きさは冷却速度に依存しているため、熱伝達係数のが大きくなることによって初晶が微細化されていることが分かった。これらのデータは、今後のスラリー製造プロセスの数値解析に用いられる。
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Research Products
(3 results)