2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト培養細胞アッセイによるめっき加工品からの重金属溶出と生体毒性との関連性の解明
Project/Area Number |
21760600
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Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
小川 亜希子 Suzuka National College of Technology, 生物応用化学科, 助教 (90455139)
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Keywords | めっき加工 / 生体機能 / 金属腐食 |
Research Abstract |
本研究は、めっき加工材料の表面形状や特性変化か生体機能に与える影響を明らかにすることを目的としている。その手段として、ヒト培養細胞を用いたin vitroアッセイ系を構築し、めっき加工材料の加工法や組成を変化させ、それらを作用させた時の細胞機能の変化を比較検討した。めっき加工材料は、ほとんどの場合、水(溶液)との接触や浸漬された時に生じる金属腐食が問題となっている。そこで、めっき加工材料を緩衝液に浸漬して溶出液を作製し試料とした。in vitroアッセイ系は、生体に使用する医療器具の細胞毒性試験法を参考に構築した。ヒト肝細胞の場合、金属組成の異なるめっき加工材料の溶出液をその培養系に添加した結果、溶出液の種類によって肝細胞の増殖と代謝活性のうちアルブミン生産能に違いが認められた。このとき、溶出液中の金属イオン濃度を原子吸光光度計で測定したどころ、金属イオン濃度と細胞機能との間には相関はかった。一方、単一な金属イオン溶液を培養系に添加した場合には、その濃度増加に伴って細胞増殖が抑制される傾向があった。これらの結果から、めつき加工材料は、単一種から成る金属材料の場合のように、ある特定の金属イオンが細胞機能に影響を与えているのではなく、複数種の金属イオンが協働で作用している可能性が示唆される。また、亜鉛めっき加工材料の溶出液について、ヒト大腸由来細胞とヒト肝臓由来細胞とについて細胞増殖能を比較した。その結果、ヒト肝臓由来細胞では、亜鉛めっき加工法の違いによって細胞増殖の程度が大きく異なっていた。一方、ヒト大腸由来細胞では細胞増殖の程度に有意差は見られなかった。このことから、亜鉛めっき加工材料の細胞機能に対する0影響ば臓器によって感受性が異なることが示唆された。
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Research Products
(5 results)