2009 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界流体分散を利用したハイブリッドナノ粒子の抽出・回収技術の開発
Project/Area Number |
21760604
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
南 公隆 Tohoku University, 原子分子材料科学高等研究機構, 助教 (80415794)
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Keywords | 抽出 / 超臨界流体 |
Research Abstract |
高圧セルを用いて、有機-無機ハイブリッドナノ粒子を超臨界二酸化炭素に分散させ、そこにレーザー光を照射することで、レーザー光の軌跡から分散状態を観察した。39℃、7.8MPaの超臨界二酸化炭素に何も添加せず、レーザー光を照射した場合、レーザー光の軌跡は確認できなかった。一方、39℃、7.8MPaの条件下で本粒子を添加した場合は内部が透明であるにもかかわらず、レーザー光を照射したときはレーザー光の軌跡が観測できた。これは、本粒子がこの条件では凝集せず分散していることを意味する。その後さらに二酸化炭素を導入し圧力を9MPaに昇圧した場合、レーザー光の軌跡が消失した。これは、本粒子がこの条件では分散せず窓や壁面に吸着したためと考える。 以上の結果から、本粒子は超臨界二酸化炭素のある条件では分散し、ある条件では分散しない可能性があることを確認した。この結果は、合成した粒子から未反応の修飾剤や合成時に用いた有機溶媒を抽出(洗浄)するのに有効と考える。つまり、未反応の修飾剤や有機溶媒が超臨界二酸化炭素に溶解し、粒子のみが析出する条件を決定することで分離が可能になり、これまで遠心分離やその他洗浄に行ってきた複雑な工程が簡略化できることが期待できる。この結果は、当該研究課題を充分に満たすものであり、進行に問題は無い。次年度はより詳細な条件設定を行い、流通式の有機-無機ハイブリッドナノ粒子合成装置と組み合わせることにより、汎用的な本粒子の連続合成装置もしくは連続洗浄装置の開発を検討する。
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