2009 Fiscal Year Annual Research Report
乾式比重分離技術の処理速度増加のための物体移動速度の測定と新規連続装置の作製
Project/Area Number |
21760609
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉田 幹生 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 助教 (60444650)
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Keywords | 固気流動層 / 乾式分離 / リサイクル / 物体浮沈速度 / 見掛け比重 / 見掛け粘度 / 処理速度 / 気泡 |
Research Abstract |
固気流動層による乾式比重分離法において,これまでは層全体の代表値である見掛け比重というマクロな物性に着目してきたが,現段階では廃棄物などの分離対象物体が比重差どおりに浮沈せずに分離精度の低下を招く場合があることが確かめられた。これは本手法では粒子層下部からの送風が必要であり,物体が気泡流動や粒子流動の影響を受け,物体の比重やサイズによってもその影響の大きさが異なるためだと考えられる。また,これらの流動の発生により層内の見掛け比重に分布が生じることも要因の1つだと考えられる。そこで本研究では流動化条件や物体条件が浮沈速度に及ぼす影響を検討した。 本研究ではこれまで困難だと考えられていた物体の浮沈速度を直接測定する方法を新規に考案し,測定を行った。流動層カラムに層高15cmになるように粒径250-300μmのガラスビーズを投入した。沈降物体として目印のついた長さ60cmのアクリル棒を取り付けた直径4cmの比重調節球(1.5-2.0(0.1間隔))を用意した。所定の流動化強度(5段階)に調節した後、球の1つを層上部中央に投入し、ビデオカメラでアクリル棒につけた目印の高さ変化を撮影した。その結果,流動化強度が小さすぎる場合には層の見掛け粘性が大きく沈降時間が長いため,特に比重差が小さい球は気泡流動や粒子流動の影響を受けやすく沈降速度が急激に低下する結果となった。また,流動化強度が大きすぎる場合には,層内の見掛け比重に分布が生じ,層内での物体の高さ位置によって沈降速度が大きく異なる結果となった。しかし,流動化強度がこれらの中間であれば比重差および球の高さ位置によらず沈降速度はほとんど変化せず安定に沈降することが判明した。これらは本乾式法の処理速度を安定および向上させるために重要な知見であると考えられる。
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Research Products
(1 results)