2009 Fiscal Year Annual Research Report
ビーズミル分散を利用した電気泳動型ナノ粒子分級装置の開発
Project/Area Number |
21760610
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山本 徹也 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 助教 (10432684)
|
Keywords | ナノ粒子 / ビーズミル動 / 電気泳動 / 分級 / AFM |
Research Abstract |
ビーズミル分散装置により分散したシリカナノ粒子を遠心分離機を用いて分級し,得られた様々な中位径を持つ粒子懸濁水溶液中の粒子のゼータ電位を測定した。その結果,中位径が小さくなるにつれてシリカ粒子のゼータ電位の絶対値は高まることが分かった。平成21年度は,この原因及び機構の解明を目的に研究を行った。原子間力顕微鏡(AFM)を用いて,ビーズミル分散装置内で起こっていると予想される粒子間衝突摩擦現象を再現したところ,ビーズにシリカ粒子を摩擦させると,粒子の表面電位が上昇することが分かった。また,ビーズ及びシリカ粒子の表面形態についてオングストロームオーダー観察すると,粒子間の摩擦の前後で大きな変化はなく,粒子表面形態とゼータ電位の因果関係はないものと考えられる。並行して,ビーズミル分散によって生じた粒子径間の表面電位差を利用した分級装置の開発も行った。Electrical Field Flow Fractionationの原理を利用し,厚さ30mm,全長1200mmの装置を試作し,わずか7.5Vの電圧を印可するだけで200nmのシリカ粒子の分級に成功した。この試作装置では電圧を鉛直方向に掛けるシステムであるが,数値シミュレーションにより粒子軌跡を解析したところ電圧を水平方向へ印可するシステムの方が分級精度の向上が期待できることが分かり,平成22年度は水平方向に電圧を印可するナノ粒子分級装置の開発に取り組む予定である。
|
Research Products
(6 results)