2009 Fiscal Year Annual Research Report
有機溶媒での高効率利用を目指した次世代型酵素埋包磁性ナノビーズ
Project/Area Number |
21760620
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松根 英樹 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 助教 (10380586)
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Keywords | 磁性粒子 / ナノバイオ / シリカ / 酵素 / 高分子修 |
Research Abstract |
本年度は、磁性シリカナノビーズへの表面修飾法と酵素固定化法について検討した。まず高分子被膜を作製するために、磁性シリカナノビーズの表面に開始剤を固定し,リビングラジカル重合法によって高分子を生長した。磁性シリカナノビーズの表面にあるアミノ基に、D-グルコノ-1, 5-ラクトンを介して,重合開始剤である、2-プロモ-イソブチル基を修飾した。次に、銅のビピリジル錯体を触媒に、親水性モノマーの2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)を重合し,疎水性モノマーであるメチルメタアクリレート(MMA)を生長して、親水層と疎水層の二層構造からなる高分子被覆層を作製した。隣接高分子同士を架橋し、内部のシリカをHFで溶解すると、高分子カプセルが得られた。このカプセルは有機溶媒に分散し、また、内部に水を取り込むことができることもわかった。以上の結果から、外部が疎水性ならびに内部が親水性の新規の二層構造カプセルを初めて合成できたことを確認した。 次に、表面に両親媒性の被膜した磁性粒子を乾燥し、酵素(ラッカーゼ)水溶液に浸すことで両親媒性の被膜内部に酵素を埋包した。真空で乾燥した後、有機溶媒に分散させた。2,6-ジメトキシフェノールを基質に酵素活性を調べると有機溶媒中でも有意な酵素活性を示すことがわかった。様々な鎖長の親水性高分子を作製し、酵素を取り込んだときの酵素の残存活性との関係を調べた。その結果、酵素のサイズと同程度の長さのとき、最大の酵素活性を示すことがわかった。本研究は、酵素を有機溶媒中で有効利用するための新しい方法論を提案するものである。本手法は簡便で、様々な酵素に対して適用できると考えられ、大変意義深いものであると考えている。
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Research Products
(6 results)