2009 Fiscal Year Annual Research Report
ゼオライト層状前駆体の層間修飾による多機能化と触媒への応用
Project/Area Number |
21760625
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
今井 裕之 Tokyo Institute of Technology, 資源化学研究所, 助教 (70514610)
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Keywords | ゼオライト層状前駆体 / 層間拡張 / 触媒活性点の層間導入 / 酸触媒反応 / 酸化触媒反応 / 層間距離自在制御 |
Research Abstract |
ゼオライト層状前駆化合物の層間に有機シラン化合物を導入することによる層間拡張ゼオライトの合成とその機能化を本研究計画において目指すが、平成21年度は、層間拡張処理条件の検討及び層間距離の制御を研究目的とした。MWW型層状前駆体を対象として、層間拡張処理における温度、時間、酸溶媒濃度、溶媒の種類等の条件を詳細に検討することで、層間に有機シラン化合物が導入されるプロセスおよびそのプロセスに影響を及ぼす因子を明確化することができた。前駆化合物の層間にある有機化合物テンプレートは酸により部分除去され、水分子が代わりに入り、入れ替わるように有機シラン化合物が導入され層間拡張が達成されることが分かった。この水分子は容易に他の分子と入れ替わり得ることから、テンプレートの部分除去後、水分子との交換反応により、機能性を有する分子を層間に組み込む手法の構築につながると期待される。または、層間の分子交換の連続によりより大きな分子の層間導入、さらに、層同士を反発させる作用を持つ分子を水との交換により導入することで層剥離を自在に行うことができ、層状化合物の形態に多様性をより多く持たせることが可能となる。 高温条件での処理により、層間拡張と同時に有機テンプレートの完全除去に成功した。これにより、層間導入した分子の有機基を残すことができ、ゼオライトの疎水性の制御のみならず有機反応による種々の有機官能基を付与することが可能となる。さらにTiやSn等の触媒活性点となる金属の導入方法も見出したことで、触媒としての機能化も可能となる。 FER型ゼオライトにおいて、これまでよりもSiの数が多い分子(2~3)の層間導入に成功し、従来よりも層間が大きく拡張したゼオライトの合成に成功した。これにより、原子数での層間距離を制御したゼオライト合成の可能性が見出され、分子の形状選択による精密な分子篩として応用できると期待される。
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Research Products
(9 results)