2009 Fiscal Year Annual Research Report
セラミックス表面における特異なブレンステッド酸性表現とその触媒機能
Project/Area Number |
21760627
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宍戸 哲也 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (80294536)
|
Keywords | 固体酸触媒 / セラミック / ブレンステッド / ニオブ / タンタル |
Research Abstract |
含水ニオブ酸は優れた酸触媒特性を示すことが知られているが,773K以上の温度で焼成することでその酸性質は消失する.我々はNb_2O_5/Al_2O_3において含水ニオブ酸類似の構造が773K程度の温度で焼成した後も維持されることを見出しており,本触媒系は,高温で焼成した後も酸性質を有することが期待される.そこで本研究では,Nb_2O_5/Al_2O_3について焼成温度および担持量による酸性質及びNb周囲の構造の変化について検討を行った.Nb_2O_5担持量を11wt%に固定し,焼成温度を変化させたNb_2O_5/Al_2O_3を用いてアニソールとベンジルアルコールのFriedel-Craftsアルキル化反応を行ったところ,焼成温度773K以下ではほとんど活性を示さなかった.これに対して焼成温度823K以上の領域では焼成温度の上昇に伴いベンジルアニソール生成量が増加し,1173Kで最も高いベンジルアニソール収量が得られた.次に焼成温度を1173Kに固定し,担持量を変化させて反応をおこなったところ,担持量16wt%で最も高いベンジルアニソール収量が得られた.Nb_2O_5/Al_2O_3についてピリジン吸着FT-IR測定を行い,ブレンステッド酸量を見積もったところブレンステッド酸量の変化は,ベンジルアニソール収量と良い相関を示すことが分かった.この結果は,1173Kという高温で焼成した後も酸性特にブレンステッド酸点が発現していることを示している.XRD, Raman, Nb K殻XAFSスペクトルによる検討から,高温で焼成したNb_2O_5/Al_2O_3触媒上に発現したブレンステッド酸点は,モノレイヤー状のニオブ酸化物上に発現することが分かった.
|
Research Products
(10 results)