2009 Fiscal Year Annual Research Report
PCNAをプラットフォームとするP450-電子伝達タンパク質複合体の構築
Project/Area Number |
21760633
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平川 秀彦 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特任助教 (90451799)
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Keywords | シトクロムP450 / PCNA / ヘテロ3量化 / ボトムアップ / 電子伝達 |
Research Abstract |
細菌由来シトクロムP450(P450)は温和な条件下において立体選択的・位置選択的な酸化反応を触媒し、さらに水溶性タンパク質であるために、物質生産用酵素として極めて魅力的である。P450の活性化には電子伝達タンパク質との相互作用が必須であり、P450の触媒活性は電子伝達タンパク質濃度に大きく依存する。したがって、P450とその電子伝達タンパク質を分子レベルで近接させることにより、効率良い電子伝達、それに伴なう活性向上が期待できる。本研究ではこれらのタンパク質を近接させるためにヘテロ3量化するタンパク質を足場として利用することにより安定な複合体形成を目指した。ヘテロ3量体タンパク質であるPCNAのサブユニットのそれぞれに細菌由来シトクロムP450・電子伝達タンパク質(フェレドキシン、フェレドキシン還元酵素)を融合したPCNA-P450・PCNA-電子伝達タンパク質を構築した。これら3つの融合タンパク質は活性のある状態で大腸菌により発現可能であった。個別に発現・精製した各融合タンパク質を等モル濃度で混合することによってP450-電子伝達タンパク質をヘテロ3量化することに成功した。このヘテロ3量体は高い触媒活性を示し、PCNAと融合しない場合とくらべて2桁の活性上昇が見られた。さらに3つの融合タンパク質を3種類の誘導剤によって独立に発現制御できるベクターを構築した。構築したベクターはそれぞれの融合タンパク質を個別に発現させることが可能であることを確認し、また、それぞれを同時に発現させることにも成功した。同時に発現させることにより基質の酸化反応が進行することも確認した。
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Research Products
(3 results)