2009 Fiscal Year Annual Research Report
抗体医薬開発への応用をめざしたニワトリモノクローナル抗体作製系の開発
Project/Area Number |
21760641
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
曲 正樹 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 助教 (50359882)
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Keywords | モノクローナル抗体 / ハイブリドーマ / DT40 |
Research Abstract |
近年、モノクローナル抗体は抗原認識の厳密性のみならず、その生理活性の高さから、様々な領域で使用されており、それに伴い有効なモノクローナル抗体作製系の構築および研究が必要とされている。本研究課題ではニワトリハイブリドーマの作製法を確立する事による、新規なモノクローナル抗体作製系の構築することを目的としている。本年は、ハイブリドーマ作製系の構築のために必要な薬剤感受性を示すニワトリ細胞融合株の作製を試みた。ニワトリB細胞株DT40を用いて以下の研究成果を得た。DT40は、動物細胞では例外的に高頻度に標的相同組み換えが起こるため、特定の遺伝子ノックアウトを容易に行う事が可能である。1)DT40の内在性の抗体遺伝子軽鎖と重鎖をノックアウトするためのベクターを作製し、DT40に導入した。その結果、抗体分子を発現しないDT40株の作製に成功した。2)ハイブリドーマ選択のために必要なマーカーを導入するため、DT40のチミジンキナーゼ遺伝子のノックアウトを試みた。チミジンキナーゼ遺伝子をノックアウトするためのベクターを構築し、抗体遺伝子を欠損したDT40に導入した。その結果、チミジンキナーゼ遺伝子を欠損したクローンの取得に成功した。3)作製した細胞株のHAT培地に対する感受性を検討した。HAT培地中での増殖能力を比較した結果、チミジンキナーゼ遺伝子を欠損した細胞株のみで細胞死が誘導された。その一方で、チミジンアナログを含む培地中では生育が見られた。以上の結果より、今回作製した細胞株が細胞融合株としての性質をもつと考えられる。
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