2009 Fiscal Year Annual Research Report
気液流動特性を活性制御因子とするリポソーム内封入酸化酵素反応システムの構築
Project/Area Number |
21760642
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
吉本 誠 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80322246)
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Keywords | バイオリアクター / 酵素反応 / 生体機能利用 / ナノバイオ / 化学工学 |
Research Abstract |
気液流動場における酸化酵素の安定性と反応性制御を目的として,下記の検討を行った (1) 酸化酵素封入リポソームの調製と気液流動場におけるリポソーム内封入酵素の反応性制御 アミノ酸酸化酵素(DAAO)封入リポソームの調製に関する基礎的検討と同時に,DAAO反応で生成する過酸化水素を分解するためのカタラーゼ封入リポソームの気液流動場における反応性を検討した。その結果,リポソーム内封入カタラーゼの過酸化分解活性は,気泡塔内ガス空塔速度,温度及び脂質膜中のコレステロール含有量に基づき制御可能であることを示した。これは,これらの因子により基質分子に対する脂質膜透過性が変化するためであることがわかった。 (2) リポソームに複合化した酸化酵素/カタラーゼ反応系の調製と特性 Multivesicular(MV)リポソーム反応系を構築するためのモデル酸化酵素反応系として,リポソームに複合化したグルコースオキシダーゼ/カタラーゼ反応系を構築して過酸化水素の分解を伴う連続的酸化反応を検討した。リポソーム膜外表面に共有結合させたカタラーゼ分子数,リポソーム膜を介するpH勾配及び低濃度の界面活性剤によるリポソーム膜修飾により,リポソーム内封入グルコースオキシダーゼ反応速度の制御が可能であることを示した。 (3) 液体せん断場におけるリポソーム膜の安定性 液体せん断場におけるリポソーム膜の特性を評価するために,コーン・プレート型粘度計の定義されたせん断場における各種粒子径のリポソームの安定性を粒子径分布をもとに検討した。ここでは,せん断場におけるリポソーム膜の安定性が,初期平均粒子径とせん断速度に影響を受けることが示唆された。 以上の成果に基づき液体せん断力によるDAAO/カタラーゼ複合化MVリポソーム反応の制御に関する検討を進める。
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