2009 Fiscal Year Annual Research Report
分子修飾ナノ粒子を用いた核内受容体を標的とする簡易薬剤スクリーニング法の開発
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21760644
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
池野 慎也 Kyushu Institute of Technology, 大学院・生命体工学研究科, 助教 (20437792)
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Keywords | バイオセンサー / ナノ粒子 / 核内受容体 / 薬剤スクリーニング / 局在表面プラズモン共鳴 |
Research Abstract |
核内受容体を分子標的とした医薬開発時での薬剤候補物質のスクリーニング法を、従来法より大幅に迅速・簡便化する為、金ナノ粒子を用いた新規評価法の開発を行った。 本年度は、核内受容体結合分子の評価のための機能性金ナノ粒子の構築を行った。金ナノ粒子上に修飾するペプチド配列は、核内受容体に結合するコアクチベータ(SRC-1)に含まれる配列である。コアクチベータペプチド(CLTERHKILHRLLQEGSPSD)をペプチド自動合成機で合成し、N末端のシステインにより、自己組織化単分子膜法(SAM)で金ナノ粒子上に修飾し機能性金ナノ粒子を作成した。 SRC-1ペプチド修飾金ナノ粒子の分散特性および構造評価を次の方法で実施した。作成した機能性金ナノ粒子の緩衝液中(pH7.4、HEPES-NaCl)における特性を、UV/Vis吸収スペクトル、動的光散乱粒径測定およびゼータ電位測定により評価した。ナノ粒子の溶液中での分散特性は、粒子表面のゼータ電位に依存する。ゼータ電位を測定した結果およびUV/Vis吸収スペクトルの結果から、核内受容体が機能する溶液条件で分散を維持できることが分かった。また、得られた機能性金ナノ粒子は粒径約25nmであった。さらに、機能性金ナノ粒子上のSRC-1ペプチドの構造評価をCDスペクトル、分子シミュレーションソフトウェアによりおこなった。その結果、結合領域が粒子表面に露出しない可能性が判明した。そのため、PEG分子を導入した新規SRC-1ペプチドを合成し、そのペプチドを修飾した新規機能性金ナノ粒子を構築した。新規に合成したナノ粒子は分散性に優れ、ナノ粒子を用いた新規評価法の構築に期待できる。
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Research Products
(3 results)