2010 Fiscal Year Annual Research Report
分子修飾ナノ粒子を用いた核内受容体を標的とする簡易薬剤スクリーニング法の開発
Project/Area Number |
21760644
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
池野 慎也 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助教 (20437792)
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Keywords | バイオセンサ / ナノ粒子 / 核内受容体 / 薬剤スクリーニング / 局在表面プラズモン |
Research Abstract |
核内受容体を分子標的とした医薬開発時での薬剤候補物質のスクリーニング法を、従来法より大幅に迅速・簡便化する為、金ナノ粒子を用いた新規評価法の開発を行った。 昨年度合成した新規SRC-1ペプチドと核内受容体との結合評価を、免疫評価法および表面プラズモン共鳴測定により行った。その結果、新規に構築したペプチドはアゴニストにより活性化された核内受容体と選択的に結合することが明らかとなった。この新規ペプチドを修飾した金ナノ粒子の分散特性を、動的光散乱粒径測定およびゼータ電位測定およびUV/Vis吸収スペクトルで解析した。その結果から、核内受容体が機能する溶液条件で分散を維持できることが分かった。 エストロゲン受容体α(ERα)を分子標的として、リガンド結合時における核内受容体の選択的複合体形成を、機能性金ナノ粒子のスペクトル変化によって評価することができた。また、そのスペクトル変化はリガンドの作用の仕方によって違いがあることがわかった。これはリガンドと結合した核内受容体がリガンド選択的に機能性ペプチドと複合体形成することで、金ナノ粒子の凝集度合いに変化が生じていると考察する。 この機能性ペプチドを修飾した金ナノ粒子は、核内受容体のリガンド選択性をスペクトル変化によって評価できるセンサとして機能すると結論した。また、このセンサは、核内受容体とリガンドにラベル化等の標識をする必要が無く、そのうえ、リガンドのアゴニスト活性を30分以内に網羅的な解析することが可能である。これは、現状の評価法と比較して、迅速・簡便化において優位性があり、核内受容体をターゲットとした新規スクリーニング手法として期待できる。
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Research Products
(4 results)