2009 Fiscal Year Annual Research Report
出力数kW級超小型ガスタービン用パルスデトネーション燃焼器の開発研究
Project/Area Number |
21760653
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
櫻井 毅司 Tokyo Metropolitan University, 大学院・システムデザイン研究科, 助教 (10433179)
|
Keywords | デトネーション / パルスデトネーション燃焼器 / 超小型ガスタービン / PDE / 航空宇宙工学 / 燃焼工学 |
Research Abstract |
パルスデトネーション燃焼では定容的な燃焼状態を得られるために圧力比の低いガスタービンの熱効率を大きく向上できる可能性がある。本研究の目的は、出力数kW級超小型ガスタービンに搭載するための世界最小サイズのパルスデトネーション燃焼器(燃焼室長さ20cm×高さ3cm×幅2cm、容積120cc、空気流量16g/s、圧力比3:1、NOx排出20ppm)を開発することである。本年度は燃料噴射から予混合気形成までの一連の過程や、予混合気の流動状態と濃度分布、およびこれらが燃焼状態に及ぼす影響を把握することを目的に、予混合気や燃焼ガスのシュリーレン法による可視化、流速や濃度計測を行った。速やかな予混合気の形成方法として燃料多孔噴射方式を考案し、基礎的な噴射パターンとして燃料噴射孔を2つ用いる並列噴射と対向噴射に着目して混合気形成に関する両者の差異を調べた。並列噴射では、並列に噴出した燃料ガスが噴出面の対面に衝突し、燃焼室の高さ方向に大きな濃度勾配を持つ混合気を形成した。なお、軸方向の濃度変化は小さい。一方、対向噴射では対向して噴出する燃料ガスが衝突する様子が観察され、混合気は燃焼室の高さ方向および軸方向にほぼ一様な濃度分布を持つことが分かった。形成された予混合気の移動速度は並列噴射と対向噴射の違いによらず21~29m/sの範囲であり、主流空気流速と燃料噴出速度の和にほぼ等しい。続いて、このような流動し濃度分布も有する予混合気中のデトネーション燃焼に及ぼす影響を調べた。並列噴射と対向噴射のそれぞれにおいて、燃焼室内に噴射された水素/空気予混合気中を伝播する乱流火炎がデトネーション遷移に向けて加速する様子を観察した。噴射方法によって、乱流火炎面の形状に濃度分布に起因するわずかな違いが観察されたが、乱流火炎の伝播速度を変化するほどには影響していないことが明らかとなった。
|
Research Products
(1 results)