2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760654
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
秋田 剛 Japan Aerospace Exploration Agency, 情報・計算工学センター, 招聘職員(研究員) (20405343)
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Keywords | 膜のしわ / 膜面構造 / データ同化 / パラメータ同定 / 非線形有限要素法 / 宇宙構造 |
Research Abstract |
本研究は将来の軽量膜面宇宙構造物実現のために,しわを含む膜面解析モデルの信頼性評価を行うことを目的とする.研究初年度である本年度は,次年度以降のデータ同化による膜面解性モデルの信頼性評価の研究に必要な(1)データ同化のための構造解析コードの作成,(2)しわ解析モデルの高精度化,を行った.(1)に関しては,既に開発済みであった非線形有限要素法解析コードを拡張し,解析パラメータに変動を与えた場合の多数の解析ケースを同時に実行できるモンテカルロ型非線形有限要素解析コードを構築した.またモンテカルロ型非線形有限要素解析コードの結果と観測データを確率的に融合するためのデータ同化コードを構築した.これらのコードを利用してケーブルやリブなどの1次元部材からなる構造の展開解析のデータ同化計算を行い,データ同化コードの検証と問題点の洗い出しを行った.今回の解析は膜面のような2次元構造ではなく単純な構造を対象としたものであったが,解析コードが正しく動作することを確認し,解析パラメータの変動幅や観測の精度とデータ同化結果の関係など多くの知見を得た.またデータ同化を利用したパラメータ同定実験を行い,良好な結果を得た.これらの知見は,次年度の膜面解析モデルを対象としたデータ同化にとって有用である.(2)に関しては,代表的な膜面構造であるインフレータブルチューブを対象として,微小な圧縮力を許容するしわの解析モデルの検証を詳細に行った.本モデルは,許容する圧縮力の強度をパラメータとして持ちデータ同化と相性がよく,今後の膜面解析モデルの信頼性評価に有用なものとなる.
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