2010 Fiscal Year Annual Research Report
実験的可視化によるイオンエンジンビーム軌道解析の検証
Project/Area Number |
21760661
|
Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
中山 宜典 防衛大学校, システム工学群, 准教授 (80532770)
|
Keywords | ロケット / イオンエンジン / 可視化 / ビーム軌道 / 計算解析 / 解精度検証 / 宇宙工学 |
Research Abstract |
【研究背景】宇宙用ロケットエンジンの一種であるイオンエンジンの更なる性能向上のためには、再重要であるイオンエンジン推力発生部のイオン流れ(ビーム軌道)の計算解析を精緻に求解できることが必須であるが、その解精度の検証は断片的であり、不十分であった。研究代表者が近年開発を進めてきた2次元可視化イオンエンジン(VIT)は、従来唯一の評価方法であったビーム電流評価に加え、従来では不可能であったビーム軌道を可視化できると考えた。【21年度成果】大型化した2次元可視化イオンエンジンを作動させ、適した光学計測系によって撮像すればビーム軌道解析を多角的評価できると考え、VITの基本設計を踏襲したVIT-2を設計製作し、撮像方法の改良を図った。その結果,VITよりも、鮮明かつ高解像度でビーム軌道を撮像できる見込みが立ち、初年度の研究目的をほぼ達成した。【22年度実績】鮮明かつ高解像度のビーム軌道を撮像するため、ビーム軌道に影響を与える生成プラズマの詳細な探針計測評価(絶縁管および電流センサ等調達)、イオンエンジン推力発生部の改良、光学計測系の改良(ガラスおよび微動装置等調達)等を行い、生成プラズマの制御およびビーム軌道形状の高精細データ取得ができるようになった。また計算解析結果との比較評価から、その形状データがビーム軌道解析の解精度検証に利用できることを確かめた。VIT-2を様々な条件にて動作させ(キセノンガス調達)、多くの撮像データを得、第2年度も研究目的をほぼ達成した。また画像処理を適切に施せばビーム軌道のイオン密度分布データを取得できる可能性も確認した(ソフトウェア調達)。これらの成果は国内会議にて報告を3件行った(国内旅費等)。
|