2010 Fiscal Year Annual Research Report
曲げ特性を容易に制御可能とする新しいフレキシブルパイプインパイプの研究開発
Project/Area Number |
21760662
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 太裕 北海道大学, 大学院・工学研究院, 助教 (00344482)
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Keywords | パイプインパイプ / 曲げ特性 / 海洋パイプライン |
Research Abstract |
本研究は二重管パイプの間に中詰コアとして粒状体材料を挿入することにより高靭性を発揮し、かつ中詰コアの物性を変化させることにより曲げ特性を容易に制御可能とする、新しい「フレキシブルパイプインパイプ」の開発を行うことを目的としたものである。昨年度実施した曲げ実験を基に、本年度は主に解析的見地から構造解析モデルの新規開発を行うことにより、以下の知見を得た。 (1)曲げとともにパイプラインの支配外力となり、かつ実験での検証が難しい軸圧縮力に対する座屈特性について解析的な検討を行った。その結果本研究で提案するフレキシブルパイプインパイプは単管パイプに対して、中詰コアとパイプのヤング係数比を現実的な値の範囲として0.01から0.0001とした場合、約1.5から5倍程度の弾性座屈に対する強度を有することがわかった。 (2)中詰コアの弾性係数が等しい場合、連続体と粒状体コアでは座屈荷重、座屈波数ともほば等しくなる。このことから、著者らが提案する粒状体をコア材とするフレキシブルパイプインパイプは、曲げに対する高靭性を発揮しつつ、軸圧縮に対する座屈強さを従来型のものと比較して失わない構造形式であるといえる。 (3)圧縮を受けるパイプの半径に対し、コア厚が20~30%程度以上ある場合には軸圧縮に対する座屈荷重はほぼ一定値となる。これはコア厚が厚い場合には、単管パイプに対する座屈荷重の増加分はコア厚が全て受け持つことを意味する。 上記の知見をもとに最終年度である平成23年度には、曲管部分の二重化も想定した曲げ特性の評価に取り組む予定である。
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Research Products
(2 results)