2010 Fiscal Year Annual Research Report
振動モード変化がライザー管の渦励振に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
21760673
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Research Institution | National Maritime Research Institute |
Principal Investigator |
藤原 智 独立行政法人海上技術安全研究所, 海洋開発系, 研究員 (70511591)
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Keywords | 海洋工学 / 資源開発工学 / 海洋資源 / VIV(渦励振) / ライザー / 水槽試験 |
Research Abstract |
潮流が強い大水深海域においてVIV(渦励振)が発生したときにVIVが時間的にどのように発達し、ライザー管全体に伝播していくかといった過渡的な応答には未だ不明な点が多い。また、時々刻々と変化する海象にあってライザー管にVIVが発生した場合、振幅や振動モード等のパラメータは常に変化することとなり、その挙動を時間領域で追うことはライザーの安全性及び信頼性を評価する上で重要となる。 本研究ではライザー管を対象とし、VIV発生時の振動モードの遷移が起きたときの過渡的応答を模型試験と数値計算を用いて明らかにする。さらに上端張力の変動により、系の振動モードを周期的に変化させた場合のライザー管の挙動の計測し、系の振動モードの制御によってライザー管のVIVによる疲労被害度の抑制が可能であるかを検討する。 平成21年度はVIV発生時におけるライザー管挙動の準静的応答の模型実験と数値計算によるモデル化およびその検証を行った。模型実験では(独)海上技術安全研究所内にある深海水槽を使用して28.5mの長尺模型を用いた模型試験を行い、水面から水面下5mに至るまで複数の潮流発生装置を積み重ねるように配置することで海中における潮流を模擬し、潮流中のVIVの計測を行った。 平成22年度はVIV発生時のモード遷移を含めた動的変動が与える影響を模型試験を中心に検証し、VIVによる疲労被害度の抑制が可能であるかを検討した。その結果、周期的にモード遷移を与えた場合、準静的に一定の振動モードでVIVが発生している場合と比較してVIVの振幅が小さくなることが分かった。またこの効果はある特定のVIVの振幅が発達する前にモード遷移を起こしてその発達を妨害するので、短周期の変動や振幅が十分に発達したあとでは効果が薄いことが分かった。
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