2009 Fiscal Year Annual Research Report
実海域掘削データを用いたドリルパイプ変動軸応力推算による掘削効率向上に関する研究
Project/Area Number |
21760676
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
井上 朝哉 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋工学センター, 技術研究主任 (10359127)
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Keywords | 海洋工学 / 海洋資源 / 海洋科学 / 地震 |
Research Abstract |
海洋掘削においては船体動揺のドリルパイプ伝搬により二つの問題が生じる。一つは変動軸応力の発生によるドリルパイプ上端の強度問題である。他方は,掘削面でのドリルビット接地圧変動により生じるStick-Slip現象である。Stick-Slipが発生するとドリルビットが損傷するだけでなく,孔壁の崩壊による掘削作業の中止,もしくは掘削可能であっても掘削地層が粉砕されるため科学掘削で重要となる試料の採取が出来ない。 そこで,地球深部探査船「ちきゅう」の掘削制御監視装置に,データ取得装置を接続することを考え,取得装置や取得データ内容を含めた取得要領に関する検討を行った。その上で,仮のデータ取得装置を接続し,実海域での掘削作業中において,一部のデータ取得を実施した。そして,その掘削データの分析を行い,まずはデータの整合性や信頼性に関する検討を実施した。 第一の問題である変動軸応力に関しては,必要データの抽出を行い,ドリルパイプ上端の張力変動をもとに実際に作用する応力の統計値(有義値)の考察を行い,従来の理論解析との比較を実施した。 また,Stick-Slip現象を把握するために,船上で与えたドリルパイプの回転のドリルビットへの伝搬挙動に関するモデル化を行い,掘削地層との摩擦モデルを用いてStick-Slipを表現できる理論モデルを構築した。そして,実海域データを参考にして想定される変動軸応力の伝搬のもとでStick-Slipの発生の有無について考察を行った。
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