2009 Fiscal Year Annual Research Report
放射性廃棄物処分におけるバリヤ層としての石炭灰の有効利用に関する研究
Project/Area Number |
21760679
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
笹岡 孝司 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 助教 (20444862)
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Keywords | 石炭灰の基礎物性 / 力学的特性 / 遮水性 / 膨潤特性 / 熱伝導特性 |
Research Abstract |
高レベル放射性廃棄物の緩衝材の設計要件に基づき、異なる産地・成分の石炭灰を用いて、粒径およびベントナイトの代替比率を変化させて各種基礎物性・性能試験を行い、バリヤ層の特性に及ぼす石炭灰自体の特性および代替比率の影響について検討した。 <フライアッシュおよびベントナイトの基礎物性試験> 研究に用いたフライアッシュおよびベントナイトの基礎物性を把握するため、以下の試験を実施した。 ・ X線回折装置(XRD)による鉱物組成分析ならびに蛍光X線解析装置(XRF)による化学成分組成分析 ・ SEMおよびマイクロスコープを用いた構造および形状解析 ・ ポロシメーターを用いた空隙率と比表面積計測 <バリヤ層としての各種基礎特性および設計要件(ベントナイトベース)との比較> 石炭灰によるベントナイトの代替比率を変えて供試体を作製し、以下に示す一連の実験を実施した。 ・ 強度試験:フライアッシュのベントナイト代替割合の増加に伴い強度の向上が認められた。また、フラィアッシュの種類および粒径の強度に及ぼす影響はほとんど認められなかった。 ・ 透水試験(変水位透水試験):ベントナイト単体試料と比較すると、フライアッシュによる一部代替試料には若干の遮水性の低下が認められたものの、十分な遮水性を保持していることが確認された。 ・ 膨潤試験:緩衝材の自己シール性となる膨潤特性は、ベントナイト含有量のみに依存することが確認された。 ・ 熱伝導率試験:ベントナイト単体試料に比べ、フライアッシュによる一部代替試料には熱伝導率の増加が認められ、フライアッシュの代替による機能向上が認められた。 以上の結果から、ベントナイト単体と比ベフライアッシュでその一部を代替しても、緩衝材に求められる各種性能の著しい低下は認められず、設計要件を満たすことが明らかとなった。従って、今回実験で用いた代替比率(30~40%)の範囲内では、フライアッシュによる一部代替が十分可能であると考えられる。
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Research Products
(1 results)