2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760684
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
青野 雄太 Kyushu University, 工学研究院, 准助教 (70264075)
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Keywords | 廃GFRP / 再利用 / 破砕 / 層間強化材 / 真空含浸法 |
Research Abstract |
廃GFRPを層間強化材として再利用した複合材料の開発を目的とし、今年度は層間強化材の製作方法およびそれを用いたGFRPの製作方法を開発し、製作したGFRPの静的強度特性を調べた。 破砕片は廃棄バスタブを用いて製造した。一次破砕にハンマシュレッダを用い、ふるいにかけて10mm以下になるまで破砕した。その後、アトマイザーを用いて、板状のものが含まれないように直径2mmのふるいを入れて破砕し、層間強化材とした。アトマイザーの回転速度を変化させたが、破砕片に均一性が見られる回転速度の範囲では、大きさや形状が特に違うものは得られなかった。 GFRPの製造には真空含浸法を用いた。破砕片層の作製は種々の方法を試したが、最も均質に作ることができたのは、破砕片を水中で撹拌し薄く層状に延ばした後に水分を乾燥させる方法であった。 機械的性質を調べるため、一方向ガラス繊維を基本構成として合計10種の構成の試験片を製作し、静的引張特性を調べた。また、破砕片層のみめGFRPも同様に真空含浸法で製作し供試した。 0度、45度、90度積層板については、弾性率は複合則に従うが、強度については単純な複合則から得られる強度よりも高い値が得られた。単層板の強度が破砕片層の強度に近いほど強度上昇が大きく見られた。破断した試験片の観察をすると、破砕片層に繊維架橋効果があることがわかった。複合則で表現できない強度上昇は、破砕片層のみの圧縮強度がその引張強度の5倍以上あることも関係していると考えられる。しかし、対称・非対称アングルプライの場合は破砕片層がない方が強度または破断伸びが大きかった.破砕片層は配向の異なる位置に挿入したが、破砕片層に発生したき裂が一方向層に損傷を与えていることが観察された。
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