2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760684
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
青野 雄太 九州大学, 工学研究院, 准助教 (70264075)
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Keywords | 廃GFRP / 再利用 / 破砕 / 層間強化材 / 真空含浸法 |
Research Abstract |
昨年度に続いて静的強度について検討した。樹脂単体および樹脂を含浸させた破砕片の引張および圧縮試験を行い、層間に破砕片を挿入した積層板の静的強度との関係について考察した。圧縮試験については正方形板およびASTM D 695-90の2種類の試験片形状で行ったが、座屈や試験ジグの使用限界によって最終強度を得ることができなかった。しかし、引張強度よりも圧倒的に強い圧縮強度ことはわかった。破砕片挿入積層板の引張試験では、破砕片層に繊維架橋効果および破砕片層の多重破断が見られる。後者は破砕片層の強い圧縮強度によって支えられ、積層板に延性的な性質を付与していると考えられる。 今年度はモードII層間はく離疲労試験を行い、破砕片層が層間強度に与える影響について調べた。そのため、通常の積層板および破砕片挿入積層板の3点曲げENF試験を行い、モードII層間はく離き裂進展特性の比較を行った。層間き裂進展の様子は適宜試験を中断し、レプリカ法で観察した。2レベルの荷重で試験した結果、高レベル荷重ではき裂進展特性に違いは見られなかったが、低レベル荷重では破砕片挿入積層板のき裂進展速度は通常の積層板比べてかなり低下した。荷重点コンプライアンスを用いてエネルギー解放率G_<11>を計算し、き裂伝ぱ曲線を求めたところ、破砕片挿入積層板のき裂進展速度のべき指数はG_<11>の低い領域では通常の積層板と異なるが、高いG_<11>に対しては通常の積層板とほぼ一致した。破砕片挿入積層板をレプリカ法で観察した結果、高いG_<11>ではき裂は主に界面を進んでいるが、低いG_<11>では破砕片層の中に多数のき裂が見られ、き裂伝ぱ速度を低下させる可能性があると考えられる。
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