2010 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチド修飾シリカ微粒子を充填したカラムによる貴金属イオンの選択的超高効率回収
Project/Area Number |
21760685
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
谷本 智史 滋賀県立大学, 工学部, 准教授 (50303350)
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Keywords | ペプチド / 貴金属イオン / レアメタル回収 / イオン吸着 / カラム充填剤 |
Research Abstract |
本研究ではカラム充填用シリカビーズ表面に機能性部品としてペプチドを固定化し、電気電子産業の廃水中に含まれる貴金属イオンやレアメタルイオンを回収するカラム充填剤を開発することを最終目的とする。ペプチドはその構造によって様々な物質に対して選択的吸着特性を示すことが出来る機能性物質である。本研究で提案するペプチド固定化シリカビーズが実現すれば、循環型社会構築の一助となることは言うまでもない。 22年度はシリカビーズ表面に固定化したペプチドの表面密度の制御方法を開発した。重合の開始点となるアミノ基をシリカビーズ表面に固定化する際に使用するシランカップリング剤の濃度と処理時間を変えることで重合開始点の密度を変化させることに成功した。その結果、表面密度の異なるペプチド固定化シリカビーズが3種類得られた。 また得られたペプチド固定化シリカビーズを簡易カラムに充填し、フロー法による金イオンの捕集・脱着実験を行った。まず、金イオン水溶液から金イオンを捕集し、その後、塩酸を通じて金イオンを脱着した。吸着量は紫外可視分光光度計で評価した。その結果、シリカビーズ表面におけるペプチドのグラフト密度が高いと金イオンの吸着総量が増すが、その後の脱着効率が悪くなってしまうことがわかった。これは、捕集に関わる官能基の密度が高すぎることによって起こった現象であると考えている。以上より、グラフト重合させたペプチドの表面密度が極めて重要なパラメータであることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)