2009 Fiscal Year Annual Research Report
最終処分場の適正管理のための廃棄物の電気的特性評価方法の確立
Project/Area Number |
21760686
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Research Institution | Center for Environmental Science in Saitama |
Principal Investigator |
磯部 友護 Center for Environmental Science in Saitama, 廃棄物管理担当, 主任 (50415387)
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Keywords | 最終処分場 / 比抵抗探査 / 廃棄物 / ボーリングコア |
Research Abstract |
本研究では廃棄物最終処分場(以下、処分場)での比振抗探査、及び室内実験による廃棄物の比抵抗値測定を行い、比抵抗値に影響を与える因子を抽出・特定することにより、比抵抗値の定量的解釈方法の確立を目指している。本年度は、間隙水の塩類濃度、及び水分含有量を検討する因子として、模擬廃棄物試料を用いた室内モデル実験を行った。その結果、比抵抗値は塩化ナトリウム(NaC1)溶液の濃度を増加させること、さらに、NaC1溶液の添加量を増加させることによって低下することが明らかとなった。添加量に伴う比抵抗値の変動は指数関数的であり、体積含水率が5.6%から11.2%に増加させたときに最も大きな変動をしたが、それ以降の変動は小さいものであった。一方、間隙水の塩類濃度は0%から0.25%に増加するだけで比抵抗値が大幅に低下する結果となり、溶液の添加量よりも溶液濃度による変動がより大きい結果となった。本研究で検討した室内モデル実験により、環境変化に伴う比抵抗値の変動を把握することができ、実際の廃棄物試料を用いた比抵抗値測定が可能であることが示された。 また、処分場に埋め立てられている廃棄物の物性を把握するため廃棄物試料のサンプリングを行った。埼玉県内の処分場Aを対象とし2箇所でボーリングとそのコアの採取を行った。採取した試料から間隙率、含水率、飽和率などの物性値を求めた。その結果、覆土層(最終覆土・中間覆土)と廃棄物層では間隙率と含水率において有意な差が確認された。今後、コアの熱しゃく減量や粒度分布、溶出液のECなどの測定、及び比抵抗値の測定、さらに処分場Aでの比抵抗探査を行い比較検討する予定である。 室内実験による比抵抗値測定や比抵抗探査は、これまで地質調査を目的とした岩石試料や一般地質環境を対象としたものがほとんどであり、廃棄物試料や処分場を対象とした本研究で得られる成果は、処分場管理のための重要なデータとなる。
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