2010 Fiscal Year Annual Research Report
最終処分場の適正管理のための廃棄物の電気的特性評価方法の確立
Project/Area Number |
21760686
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Research Institution | Center for Environmental Science in Saitama |
Principal Investigator |
磯部 友護 埼玉県環境科学国際センター, 資源循環・廃棄物担当, 主任 (50415387)
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Keywords | 廃棄物 / 比抵抗探査 / 最終処分場 |
Research Abstract |
廃棄物最終処分場(以下、処分場と略記)では汚水漏水危険性や廃棄物の安定化遅延による維持管理の長期といった問題が顕在化しており、処分場内部の空間的調査方法の確立が求められている。本研究では、非破壊で地下構造を推定できる比抵抗探査による処分場調査とボーリングコアの物性調査を行った。平成21年度は、処分場において比抵抗探査を実施するとともに、探査測線上でボーリング調査を行い、ボーリングコアの試料採取を行った。当該年度は、比抵抗探査の継続によるモニタリング調査を行うとともに、採取したボーリングコアの物性調査、ならびに模擬廃棄物試料を用いた室内モデル試験を行った。 比抵抗探査モニタリングにより、最終覆土層では比抵抗値が70~200Ω-mと高い値を示したのに対し、廃棄物層では10Ω-m以下と明瞭な差が現れた。現場で測定したECの深度プロファイルも同様な差異が確認されており、最終覆土層と廃棄物層の相違といった処分場の内部構造を可視化できることが示された。 比抵抗探査より求められた比抵抗値とボーリングコアの電気伝導率(EC値)を両対数プロットしたところ逆相関を有することが示され、EC値の深度プロファイルと比抵抗探査結果と調和的であることが示唆された。また、岩石の比抵抗値を説明する経験式であるアーチー式において、比抵抗値は水分飽和度と間隙率をパラメータとして表すことができることを踏まえ、ボーリングコアの水分飽和度と間隙率と比抵抗値との関連を調べた。これより、間隙率と比抵抗値との相関が見られ、さらに室内モデル実験から飽和度と比抵抗値との相関が見られた。これより、廃棄物試料においてもアーチー式の適用可能性が示され、処分場における比抵抗探査結果をより高精度に評価できる可能性が示唆された。
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