2009 Fiscal Year Annual Research Report
核融合プラズマコアへの粒子供給を目指した加速CTの中性化過程
Project/Area Number |
21760687
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
高橋 俊樹 Gunma University, 大学院・工学研究科, 准教授 (10302457)
|
Keywords | 核融合 / 粒子供給 / コンパクトトーラス / モンテカルロシミュレーション |
Research Abstract |
加速したコンパクトトーラス(CT)プラズマを中性化セルへ入射し,核融合炉心プラズマコア領域への燃料供給を可能とすることで,密度分布制御の自由度を向上できる高速中性粒子フロー生成をモンテカルロシミュレーションにより再現した.これにより,本手法を用いた核融合燃料供給法の実現可能性について検討した. 加速CTの中性化効率を算出するため,研究の第一段階として,静止したCTへの軸方向NBIと中性化セル内の加速CT中性化過程との等価性を利用した解析モデルを採用した.中性粒子との荷電交換反応をモンテカルロ法で再現し,CT内のプラズマイオンが中性原子へ変換する効率を調べた.また,半径5cm,中心温度20eV,密度10^<20>m^<-3>のCTプラズマを50から300km/sに加速し,中性化セルに入射する場合を解析対象とした.中性化セル内への浸透長1mでほぼ100%の中性化効率を達成するためには,0.5mTorr以上のガス圧が要求されることがわかった.中性化効率はCT入射速度上昇とともにわずかながら線形的に減少し,ガス圧0.1mTorr,浸透長1mにおいて,入射速度300km1sでは50km/sの場合と比較して,-14%程度の効率となることが明らかにされた. CTプラズマの電子と中性粒子との電離や励起衝突は,電子温度低下をもたらし,再結合反応によるCT中性化促進が期待できる.電離や励起エネルギーに相当する電子エネルギーの低下を集計することで温度低下と再結合反応による中性化効率への影響を調べた.この結果,中性化セル内への浸透長1mで10eV程度の温度低下が観測された.しかしながら,再結合反応に要する時間は0.1秒程度であり,中性化セル内滞在時間10マイクロ秒と比較してはるかに長く,再結合反応のCT中性化への影響は小さいことが明らかになった.
|