2010 Fiscal Year Annual Research Report
高温型プロトン導電体による減圧雰囲気への水素の直接回収
Project/Area Number |
21760693
|
Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
田中 将裕 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (00435520)
|
Keywords | プロトン導電体 / 水素ポンプ / トリチウム回収 / 減圧雰囲気 / 交流インピーダンス法 / 電荷移動 / ガス拡散 |
Research Abstract |
核融合炉の燃料回収精製法として、高温型プロトン導電体の水素ポンプ機能を利用した、水素同位体の直接回収手法が提案されている。従来研究では、陰極側(水素抽出側)に不活性ガスを通気することで水素透過量の定量評価を行っている。しかし、核融合の燃料サイクルへの適用を鑑みると、高純度で水素同位体ガスを回収する必要がある。このためには、陰極側の不純物ガス成分を減らすことが重要であり、減圧条件下における物質移動の解明が必要である。今年度は、細孔径のより大きな白金焼き付け電極(細孔径:数μm)を準備し、1Pa以上の低真空条件下における水素ポンプ特性を評価した。対象試料として片閉じ型CaZr_<0.9>In_<0.1>O_<3-α>試料(340mmL, ID:12mm, 0.75mmt)を選定し、水素抽出評価を行った。陽極側、陰極側ともに焼き付け法で白金を取り付け電極とした。水素抽出評価では、作動温度973Kとし、水蒸気電解条件で一定の直流電流を通電しながら、陰極側圧力を数十Paから大気圧(100kPa)まで変えて水素抽出を行った。結果は、昨年度評価した微細な細孔を有するめっき電極(細孔径:数百nm)と同様に、数kから数十kPa付近で電圧が最小値になることが確認された。次に、交流インピーダンス測定を実施し、測定結果に電気化学インピーダンス解析法を適用することで、バルク.界面.電極での物質移動を評価した。その結果、固体内のバルク、粒界面抵抗は圧力に依存しないが、電極内部のガス拡散抵抗に係る分極抵抗が低圧力下で減少し、数十kPa以下の減圧条件下では電極内部のガス拡散が約25倍増加することが示された。一方、100Pa以下でガス拡散抵抗のわずかな増加が確認された。圧力が低下すると気体の流れは粘性流から分子流に変化する。分子流条件下における圧力依存性を評価するため、1Pa以下の高真空雰囲気にも対応した水素抽出装置の設計製作を進めた。
|
Research Products
(4 results)