2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760696
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
田中 照也 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (30353444)
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Keywords | セラミック / 材料診断 / 電位感受性試薬 / 蛍光 / 電位分布 |
Research Abstract |
セラミック電気絶縁材料中の電気特性の分布を蛍光材料および発光材料を用いて可視化する新しい手法を試みている。H21年度に試みた無機EL材料による電気伝導度分布評価手法は、EL材料が塗布された位置の電気伝導度に従って発光、非発光の違いが表われる手法である。これに対して、H22年度は、電位分布(電界)に従って発光物質そのものが移動する電位感受性試薬の特性を調べた。試薬は、細胞機能の研究に使用されるGFP蛍光たんぱく質、DiBAC4試薬の2種類を選択した。特にGFPについては、本来、染色体等に組み込んで細胞の特定部位を発光させるものであるが、タンパク質が両性イオンの性質を持つとの情報収集から、その電位感受性を調べた。 GFPについては蒸留水で希釈し、また、DiBAC4については粉末をDMSO用液に溶解させて使用した。~2mm間隔の正・負のPt電極を各々の溶液に浸し、最大~4Vの電圧を印加して、蛍光領域の変化を観察した。GFPでは2.5V(~1.2V/mm)印加した際に、正極周辺の発光がほとんどなくなり、極性を入れ変えると、追随して発光・非発光領域は入れ替わる。DiBAC4では、-3.0V印加した負極近傍の発光強度が弱まり、極性の反転に追随した発光領域の変化を示した。ともに、水の電気分解と考えられる気泡が発生する~4Vよりも低い電圧で上記の応答が観察された。GFPの方が、発光・非発光領域の境界がはっきりと観察されたが、極性を入れ替える毎に全体としての発光強度は落ちており、何らかの化学変化や通電による変質が生じている可能性がある。一方、DiBAC4では観測中の発光強度低下は見られない。 以上の電界に応じた応答を、不均一な電気絶縁特性分布を持つセラミック試料に適用し、材料周囲の電界分布の可視化を行うことで、セラミック材料の特性分布評価に結び付けることが考えられる。
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