2009 Fiscal Year Annual Research Report
高圧力プラズマにおける抵抗性壁モード安定化物理の実験解析研究
Project/Area Number |
21760702
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
松永 剛 Japan Atomic Energy Agency, 核融合研究開発部門, 研究職 (10391260)
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Keywords | 炉心プラズマ / プラズマ物理 / 抵抗性壁モード |
Research Abstract |
高圧力プラズマで発生し、到達圧力を制限すると考えられている抵抗性壁モード(RWM)について、その安定化機構や他の不安定性との相互作用等に着眼し実験データの解析を進めた。具体的には、独立行政法人日本原子力研究開発機構の大型トカマク装置JT-60Uで、これまで得られている高圧カプラズマ実験のデータおよび、平成21年度の本研究計画で実施した米国GA社DIII-Dにおける高圧力プラズマ実験のデータについて解析を行った。また本研究計画通り、実験データのためのデータベースサーバと、線形理想MHD安定性解析用サーバを導入した。本研究では、高圧力プラズマでのみ観測され十分なプラズマ回転にもかかわらずRWMと相互作用し、不安定化する新たな不安定性に着眼した。この新たな不安定性は、中性ビーム加熱装置から入射され電離した高速イオンのトロイダル歳差運動が駆動源であり、波と粒子の相互作用によって発生した不安定性であると同定した。また、この不安定性の周波数がプラズマ回転の変化に影響を受けることから、この不安定性の分散が高速イオンだけで決まるのではなくバルクプラズマすなわち、安定な固有モードで決まると考えられる。同様の現象は、DIII-Dでも観測されている。また、周辺プラズマ領域で発生し間欠的なエネルギーの掃出しを伴う周辺局在化モード(ELM)が、安定なRWMを励起する現象を観測した。これらの結果は、RWMが他の不安定性と相互作用し誘発されうることを示唆しており、今後更なるデータ解析を進める。また、得られた成果については国内学会、国際会議にて発表するとともに科学論文へ投稿し掲載された。
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Research Products
(4 results)