2009 Fiscal Year Annual Research Report
NMRを利用した高温・高圧ベントナイト間隙における水および核種のミクロ挙動解析
Project/Area Number |
21760706
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
塚原 剛彦 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教 (10401126)
|
Keywords | NMR / ベントナイト / 水 / ナノ空間 / 緩和 |
Research Abstract |
本研究では、NMR技術を用いて、高温・高圧・極端pH環境下における粘土間隙の水や核種のミクロ物性を"in situ"計測し、核種移行挙動のメカニズムを解明することを目的としている。人工バリア材として用いられる粘土鉱物であるモンモリロナイト、ベントナイト等を、飽和塩法により湿度を約30%~99%の間で調整した空間に静置し、水分量を規定した粘土鉱物サンプルを調整した。これらのサンプルをガラス製のNMRセル内に充填し、粘土間隙に存在する水のスピン-格子緩和時間(T_1)、スピン-スピン緩和時間(T_2)を低磁場NMR(23MHz)により測定した。緩和時間T_1,T_2値は、いずれも水分量の減少と共に減少し、水分子の運動状態が抑制されていることが分かった。水分量が少なくなると、粘土が膨潤できないため、粘土間隙のサイズも小さくなる。水分量が少ないあるいは間隙が小さい場合、粘土表面と水との比界面積(表面積/体積)が相対的に大きくなり、表面-水間の影響が大きく現れるため、結果、水分子の運動が制限、すなわち、緩和時間が小さくなると考えられる。 また、これら粘土間隙水の圧力依存性を調べるため、ジルコニア製の高圧NMRセルとシリンジポンプを用いた高圧システムを構築した。本システムでは、温度400度,圧力30MPaまで制御することが可能である。高圧NMRセル内に水分量を調整した粘土サンプルを導入し、NMRスペクトル測定を行い、システムが正常に機能することを確認した。
|
Research Products
(5 results)