2009 Fiscal Year Annual Research Report
パルス中性子による二次元共鳴吸収透過分析手法の確立
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21760712
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
原田 正英 Japan Atomic Energy Agency, J-PARCセンター, 研究副主幹 (50354733)
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Keywords | イメージング / 共鳴吸収 / μPIC / J-PARC / JRR-3 |
Research Abstract |
本研究の目的は、パルス中性子の特性を生かし、共鳴吸収に着目して、二次元的に材料分析を行うパルス中性子による共鳴吸収透過分析法の確立である。H21年度当初に、各検出器の開発状況や試験状況、実績を確認した結果、本研究に最適な二次元検出器は、GEM(Gas Electron Multiplier)と同型の検出器であるμPIC(Micro Projection Ion Chamber)であると判断し、京都大学谷森教授らにより開発されているμPIC検出器システムの購入、整備を進めた。一部のモジュールが絶版になっていたなどの問題があり、システム一式を揃えるために時間がかかった。京都大学にて、整備したμPIC検出器システムのγ線源による動作確認を行い、二次元分布が測定できているなど、不具合なく稼動すること確認し、中性子ビーム実験への道筋をつけた。しかし、二次元検出器の特性把握や二次元飛行時間測定のために、H21年度終わりに計画していた中性子ビームを用いたテスト実験は、JRR-3及びJ-PARC施設のトラブルによる長期停止があったため、予定していたマシンタイムがキャンセルされ、実施できなかった。H22年度初めには、実施できる予定である。一方、μPIC検出器システム整備前に、J-PARCにて、0次元のLiガラスシンチレータを用いた検出器システムにより、単体試料の共鳴吸収実験を行い、数々の共鳴吸収基礎データを蓄積した。これらのデータは、H22年度の行う共鳴吸収透過分析手法のアルゴリズムを確立する上での基礎データとなる。
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