2010 Fiscal Year Annual Research Report
反跳粒子3D計測による高感度速中性子イメージング法の開発
Project/Area Number |
21760717
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
土屋 兼一 科学警察研究所, 法科学第二部, 研究員 (90447920)
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Keywords | 中性子 / イメージング / 検出器開発 / 放射線検出器 / 計測工学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、マイクロパターンガス検出器のひとつであるマイクロピクセルチェンバー(μ・PIC)を用いた中性子イメージング装置を製作し、ガンマ線中性子線弁別能力に優れた高感度中性子イメージング法を開発することである。装置内に入射した速中性子は、ガス中の水素原子と弾性散乱を起こし、反跳陽子が生成される。その飛跡を位置分解能に優れたμPIC検出器で3次元計測し、速中性子の入射方向を捉える。速中性子イメージング法が確立すれば、核物質(プルトニウム)の探知、中性子を用いた地雷探査、医療分野(ホウ素中性子捕捉療法)等での応用が期待できる。 これまで、科学警察研究所においてプロトタイプ装置を製作し、中性子線源(カリフォルニウム252)を用いた原理実証を行ない、反跳陽子の飛跡をとらえることに成功している。現在、GEANT4を用いて検出器の性能評価に必要なモンテカルロシミュレーションのプログラムを製作している。また、中性子の検出効率が悪いため、これまでターゲットとして使用していたAr/CH_4混合ガスをAr/C_2H_6混合ガスに変更することを検討している。さらに、ガス圧を大気圧(1気圧)から下げることで、反跳陽子の飛跡が伸びるため、中性子の角度分解能向上が見込める。検出効率も考慮しながら、速中性子イメージングに最適なガスの条件を決定したい。
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