2011 Fiscal Year Annual Research Report
反跳粒子3D計測による高感度速中性子イメージング法の開発
Project/Area Number |
21760717
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
土屋 兼一 科学警察研究所, 法科学第二部, 研究員 (90447920)
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Keywords | 中性子 / イメージング / 放射線検出器 / 検出器開発 / 計測工学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、マイクロパターンガス検出器のひとつであるマイクロピクセルチェンバー(μ-PIC)を用いた速中性子イメージング装置を製作し、ガンマ線中性子線弁別能力に優れた高感度中性子イメージング法を開発することである。装置内に入射した速中性子は、ガス中の水素原子と弾性散乱を起こし、反跳陽子が生成される。その飛跡を位置分解能に優れたμPIC検出器で3次元計測し、速中性子の入射方向を捉える。速中性子イメージング法が確立すれば、核物質(プルトニウム)の探知、中性子を用いた地雷探査、医療分野(ホウ素中性子捕捉療法)等での応用が期待できる。 これまで、科学警察研究所において速中性子イメージング装置のプロトタイプ機を製作した。中性子線源(カリフォルニウム252)を用いた原理実証を行ない、反跳陽子の飛跡を3次元でとらえることに成功した。また、飛跡の単位長さあたりのエネルギー損失分布(ブラッグ曲線)を各イベントごとに計測し、その曲線の傾きから中性子の入射方向を推定できることが実証された。これらの成果は、国際会議や国内学会で発表した。現在、中性子到来方向決定精度や検出効率等の性能評価を行なっている。今後は、装置に搭載する全方位可視光カメラ映像と中性子到来方向確率分布とを重ね合わせて表示することで、核物質探査を目的としたシステムの製作に取り組む。
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