2009 Fiscal Year Annual Research Report
Monaphaseを用いたanaphase開始メカニズムの研究
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21770011
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
進藤 軌久 Japanese Foundation For Cancer Research, 癌研究所実験病理部, 研究員 (00512253)
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Keywords | 染色体 / セパレース / 染色体分離 / コヒーシン / 同期性 / バイオセンサー |
Research Abstract |
本研究は、染色体分離過程の体系的な理解をめざすものである。初年度の計画は、1)コヒーシン分解のタイミングの解析、及び2)Monaphaseのメカニズムの解明を主目的とした。 1) セパレースの活性化を検出するバイオセンサーの改良を行い、セパレースによるコヒーシン分解のタイミングをより詳細に解析できるようにした。これにより、セパレースの活性は染色体分離の約60秒前に急峻に上昇することがわかり、コヒーシン分解は実際の染色体分離の直接の引き金ではないことが示唆された。さらに、セパレースの急峻な活性化が始まる前は活性が厳格に抑制されていることも明らかにできた。セパレースの活性を抑制することが知られているリン酸化部位に変異を導入した変異型セパレースを安定発現する細胞株においては、この厳格な抑制が解除され、セパレースの活性がより早期から上昇し始めることも見いだした。これらの知見はセパレースの活性化制御機構の理解を刷新するものである。 2) 私はこれまでの研究においてmonaphase開始直前になると微小管に直角に配向した姉妹キネトコアの割合が上昇することを見いだしていた。そこで、この微小管とキネトコアの強固な結合が必須かどうかを調べたところ、この割合の上昇は頭打ちになり、すべての姉妹キネトコアが微小管に対して直角になるわけではないことが明らかになった。この場合mad2の染色はネガティブになっているので、微小管とキネトコアの結合が満たされていれば、必ずしも強固な結合は必須ではないと考えられる。また、Aurora Bの阻害剤のかわりにCdk1の阻害剤を用いても同様の同期的な染色体の移動が見られたので、monaphaseの誘導にはCdk1活性の低下で十分であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)