2010 Fiscal Year Annual Research Report
Monaphaseを用いたanaphase開始メカニズムの研究
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21770011
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
進藤 軌久 (財)癌研究会, 癌研究所実験病理部, 研究員 (00512253)
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Keywords | 染色体 / セパレース / 染色体分離 / コヒーシン / 同期性 / バイオセンサー |
Research Abstract |
(1)セパレース活性化タイミングの解析 (1)セパレースの活性を抑制することが知られているリン酸化部位に変異を導入した変異型セパレースをBAC transgeneを用いたmutagenesis法により作製し、生理条件下で安定発現する細胞株を樹立した。この細胞株でさらにセパレースの阻害因子として知られているセキュリンをRNAi法によりノックダウンすると、セパレースの活性がより早期から上昇し始めることがわかった。 (2)Monaphaseは細胞集団として非常に同調性に優れており、生化学的解析にも有用だった。Monaphase過程の細胞抽出液をゲル濾過クロマトグラフィーで分離し、セパレースの阻害因子であるセキュリンの分解の様子を調べたところ、セパレースと結合したセキュリンは比較的安定だが、セパレースと結合していないセキュリンは分解されやすいことが明らかになった。 これらの知見はセパレースの活性化制御機構ならびに後期開始メカニズムの理解を刷新するものである。(Shindo et al.,投稿準備中) (2)Monaphaseのメカニズムの解明 Aurora Bの阻害剤のかわりにCdk1の阻害剤を用いても同様の同期的な染色体の移動が見られたので、monaphaseの誘導にはCdk1活性の低下で十分であることが明らかになった。 (3)染色体を引く力の増大に関わる因子Xの探索 網羅的アプローチと候補遺伝子アプローチの両方向からのアプローチを計画していたが、欧州のMitoCheck consortiumにより、染色体分離時に重要と考えられる遺伝子に関する表現型の網羅的解析が報告された(Neumann et al., 2010, Huntchins et al., 2010)。これらの知見を元に、計画の変更を行い現在候補遺伝子の絞り込みを行っている。
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Research Products
(4 results)