2011 Fiscal Year Annual Research Report
生態系の持続可能性と制度や規範について:所有形態や制裁の効果を焦点に
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21770016
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中丸 麻由子 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 准教授 (70324332)
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Keywords | 持続可能性 / 数理モデル / シミュレーション / 所有形態 / 制度 |
Research Abstract |
2011年度は持続可能な生態系のための制度や規範に関する以下の理論的な研究を行い、実証研究と理論研究を繋ぐ研究についての研究の基礎固めを行った。 (1)生態系の持続的利用のために人は様々な慣習・制度を作り上げてきた。生態系維持のために協力し合う必要があるが、一度に一人しかその生態系からのサービスを利用出来ない場合は輪番で利用するシステムを作り上げている。輪番制では、利用した後に協力をしない人(フリーライダー)が一番得をする。そこで昨年度行った、輪番制においてフリーライダーを防ぐためのルールやシステムについての理論的研究(Koike et al., 2010)を基にして、被験者を用いた実験を行っている最中である。理論研究を支持する結果も出ているが、実験したからこそ明らかになる結果も出つつある。また、理論的研究(Koike et al., 2010)の発展研究も行っており、論文執筆を始めることの出来る段階にある。 (2)人々の行動を決定するものの1つに規範がある。規範に従って行動しているが、内心ではその規範とは別の規範である場合もあり、その状況を扱った研究代表者らの研究(Sekiguchi & Nakamaru, 2011)を発展させ、行動は集団中で一様だが、内心は個人によって異なる状況になる条件を探った。ただいま、論文を執筆中である。規範を遵守させるための罰行動に関する研究も投稿準備中である。 (3)マレーシア、アナツバメの個体群管理に関する実証例については、2010年度中に構築した基本数理モデルを解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
出産のため、研究時間が減少した。
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Strategy for Future Research Activity |
輪番制と持続可能な生態系利用に関しての理論研究はただいま発展させており、論文化できるぐらいの研究結果もあるので、論文執筆を始める。 輪番制に関する研究の被験者を使った実験については、来年度中に追試を行う。その結果を踏まえて、成果をまとめる。 アナツバメの研究については、基本モデルや発展モデルの解析を進めて結果を整理し、学会発表を行う。
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