2009 Fiscal Year Annual Research Report
自然生態系におけるアンモニア酸化アーキアの二酸化炭素固定に関する分子生態学的研究
Project/Area Number |
21770028
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中川 達功 Nihon University, 生物資源科学部, 講師 (40434104)
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Keywords | アンモニア酸化性アーキア / 二酸化炭素固定 / 安定同位体DNAプローブ法 / アンモニア酸化性バクテリア / 密度勾配遠心分離法 / 古細菌 / 硝化 / 安定同位体 |
Research Abstract |
アンモニア酸化バクテリアの二酸化炭素固定は長年の研究により詳細に調べられ、大気中の二酸化炭素濃度増加に対する応答が認められるといったデータが既に示された。しかしながら、アンモニア酸化アーキアの分離菌株は世界で1菌株のみであることと、その培養方法が確立されていないことから、自然生態系においてアンモニア酸化性アーキアが二酸化炭素の固定にどの程度関与しているのかは、全くの未知である。そこで、本研究では、近年、技術の普及が見られる安定同位体DNAプローブ法を用い、海洋や土壌中の難培養性アンモニア酸化アーキアの二酸化炭素固定能を解明することを目的とした。平成21年度の研究実施計画は次の3点とした。1)安定同位体DNAプローブ法の確立、2)試料採取、3)阻害剤の選定。実施計画1)については、集積培養系を用いて^<13>Cを取込んだDNAを塩化セシウムの密度勾配遠心分離法により分離するといった一連の実験法を確立することができた。この成果は自然生態系からの試料に対しても応用されることが期待される。実施計画2)については、海底砂、森林土壌、水田土壌に対して、NaH^<13>CO_3の取込み実験を実施した。実施計画3)については、アンモニア酸化バクテリアの活性を阻害するが、アンモニア酸化アーキアには効かない物質の探索を行なった結果、抗生物質の1つに効果が確認された。
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Research Products
(1 results)