2009 Fiscal Year Annual Research Report
PsbPホモログを介した植物の強光ストレス耐性機構の解析
Project/Area Number |
21770043
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊福 健太郎 Kyoto University, 生命科学研究科, 助教 (50359783)
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Keywords | 植物 / 強光ストレス応答 / 光合成 / 光化学系 / 酸素発生系 / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
植物の強光ストレス耐性に関与するPPL1タンパク質、及び、機能未知であるがPPL1とのmRNA共発現が示されているPPD3タンパク質に関して、以下の解析を行った。 (1) 野生株におけるPPL1タンパク質発現の強光ストレス応答を経時的に解析した結果、強光照射後数時間でPPLの蓄積が増大することが明らかとなった。また、PPD3タンパク質を欠くppd3変異株においては、通常の生育光下でもPPL1タンパク質の蓄積が上昇している傾向を認めた。従って、植物の強光応答においてPPL1とPPD3の機能が密接に関連していると考えられた。 (2) ppl1変異株、及び、ppd3変異株における光化学系II(PSII)複合体の形成状態をBlue-Naitve PAGEによって解析した結果、両変異株において集光アンテナを結合したPSII-LHCII超複合体の存在比がやや減少していることが観察された。チラコイド膜タンパク質のリン酸化状態を解析した結果、特にppd3変異株において野生株との間に違いが認められ、PPD3がPPL1と同様にPSIIの機能維持に関与していることが示唆された。 (3) スクロース密度勾配遠心によって界面活性剤で可溶化した野生株のチラコイド膜を分離し、分画後、SDS-PAGE、ウエスタン解析を行った。その結果、PPL1が何らかの高分子複合体と相互作用していることを認めた。化学架橋剤を用いた解析の結果、予備的ではあるが、PPL1とPSII反応中心タンパク質であるD1タンパク質との相互作用を示唆するデータを得た。
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Research Products
(7 results)