2009 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナ花成遺伝子FTのエピジェネティックな発現制御機構の解明
Project/Area Number |
21770044
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 光知 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (20343238)
|
Keywords | シロイヌナズナ / 花成 / フロリゲン / エピジェネティクス |
Research Abstract |
FTは花成制御における最も重要な因子の一つである。花成を制御する外的・内的環境情報はFT遺伝子の発現調節に集約され、最終的にはフロリゲンの産生という形で効果が発揮される。FT遺伝子の発現パターンは極めて特徴的であり、その制御機構の複雑さを容易に想像させるものである。これまでにFTの転写活性化の仕組みに関しては多くの知見が蓄積しているのに対して、発現を抑制するメカニズムに関しては大きな進展が見いだせずに現在に至っている。そこで、申請者は新奇のFT過剰発現突然変異体に注目し、遺伝学的アプローチによってFTの発現抑制機構の一端を明らかにすることを自指す。 平成21年度は、独自に単離した新奇花成早化変異体に注目し、マッピングによる原因遺伝子のクローニングを試みた。その結果、#147変異は5番染色体にマップされ、新規の変異体である可能性が非常に高いことが明らかになった。次年度以降もマッピングを継続し、原因遺伝子の同定を目指す。また、平行して解析を行っていた既知変異体におけるFT遺伝子の発現解析の結果、古くから知られているfe変異体においてFT遺伝子の発現が減少していることが判明した。今後、fe変異体にも注目し、FT遺伝子の時空間的発現パターンを解析することによって、フロリゲン産生機構の理解の点で本研究の成果を飛躍的に高める可能性があると考えている。
|