2009 Fiscal Year Annual Research Report
SOG1を介した植物のDNAチェックポイント機構の解析
Project/Area Number |
21770047
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
愿山 郁 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 研究員 (10346322)
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Keywords | DNAダメージ / DNAチェックポイント / 植物 / 細胞周期 / ゲノム |
Research Abstract |
21年度の実験計画では、植物のDNAチェックポイント機構において中心的な働きをしているSOG1転写因子のターゲット遺伝子や、相互作用するタンパク質、そしてSOG1タンパク質が修飾を受けているかどうかの検討を予定していた。これらの実験を行うために35SプロモーターにSOG1のcDNAを結合させ、そのC末端かN末端にFLAGタグを結合させたコンストラクトを持った植物体の作製を行った。これらの植物体の作製には成功し、これらのトランスジーンが植物体内で発現している事をRT-PCRで確認した。しかし、これらのトランスジーンが実際に植物体内で機能しているかどうかを確認するために相補実験を行った所、どのコンストラクトも変異型sog1-1を相補する事が出来なかった。一方、植物体内でのSOG1の局在を調べるために作製していたゲノムのSOG1(プロモーターも含む)にGUSをC末に結合させたコンストラクトを持った植物体は、完全ではないがsog1-1変異を相補する事が出来た。よって、FLAGタグのラインが変異型sog1-1を相補出来なかったのは、SOG1を本来のプロモーターではない、35Sプロモーターに結合させたためではないかと考えている。現在はゲノムのSOG1にFLAGタグを結合させたコンストラクトを植物体に導入している所である。また、得られたgenomeSOG1+GUSコンストラクトから、SOG1が根端分裂組織、葉原基、側根原基といった分裂が盛んな部位で発現している事、さらにSOG1が核に局在している事を明らかにした。これらの結果は、SOG1が転写因子であり、核で機能していると予想していた事、またSOG1がDNAチェックポイントに関与していることから、おそらく細胞分裂が盛んな細胞で必要とされるタンパクであると予想していた事と一致していた。 また、現在はSOG1に対する抗体についても作製中である。全長SOG1、C末SOG1、そしてSOG1のC末端に設計したペプチド抗体2種類の合計4種類について作成している。SOG1に対して特異性の高い抗体が作製できれば、FLAG-SOG1のコンストラクトが出来なくても、Co-IPやChIPなどの実験ができるため、これからの実験に大変有用であると考えている。
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