2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21770050
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
孔 三根 Kyushu University, 大学院・理学研究院, 学術研究員 (70514157)
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Keywords | 葉緑体 / 青色光 / 信号伝達 / フォトトロピン / キナーゼ |
Research Abstract |
光環境変化に応じて効率よく光合成を行うため、葉緑体は細胞内の光条件が最適な場所へ移動する。すなわち、弱い光の下では細胞表面に集まり(集合反応)、強い光からは逃避する(逃避反応)、いわゆる葉緑体光定位運動を示す。光受容から葉緑体運動に至る一連の葉緑体光定位運動に関わる信号伝達因子(phot2、ARFI、JAC1、CHUPIなど)は同定されているにも関わらず、光受容後の信号伝達機構は全く分っていない。本年度は、光受容から葉緑体運動に至る、一連の葉緑体光定位運動に関わる信号伝達因子の細胞内分布の詳細及び細胞内機能を調べた。 phot2全長またはphot2キナーゼドメインにタグを融合した形質転換植物の膜分画からphot2複合体を分離し、phot2とARF1の相互作用を確認した。一方、小胞輸送が葉緑体光定位運動に関与している可能性を調べるため、小胞輸送の阻害剤であるブレフェルジンA(BFA)を処理した葉で葉緑体運動を観察した。その結果、BFAにより葉緑体運動は大幅に阻害されるが、完全には阻害されなかった。また、jac1変異体におけるphot2とCHUP1の青色光刺激により細胞内局在変化には野生型と差がなかった。このことは集合反応の制御に関わるJAC1を介した小胞輸送系は逃避反応の光条件で誘導されるphot2とCHUP1の細胞内局在の制御に関わってないことが分かった。 phot2キナーゼ部位を活性型、不活性型とした形質転換体における葉緑体光定位運動に関わる信号伝達因子のリン酸化を調べた。その中、phot2キナーゼの活1生型特異的にCHUP1の電気泳動移動度および細胞内局在への影響が得られた。この結果からphot2の青色光依存的な下流因子のリン酸化制御が葉緑体光定位運動におけるCHUP1の機能制御にも関わっている可能性が強く示唆された。
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Research Products
(2 results)