2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21770050
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
孔 三根 九州大学, 大学院・理学研究院, 学術研究員 (70514157)
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Keywords | 葉緑体 / 青色光 / 信号伝達 / フォトトロピン / キナーゼ |
Research Abstract |
葉緑体は弱光下では細胞表面に集まる(集合反応)、そして強光下では表面から逃避する(逃避反応)葉緑体光定位運動を示す。葉緑体光定位運動には新奇葉緑体アクチン繊維の制御が必須であり、CHUP1はその制御因子の一つである。本年度は、phot2により制御されるCHUP1のリン酸化と、光受容から葉緑体運動に至る一連の葉緑体光定位運動に関わる信号伝達因子が、CHUP1の細胞内局在と葉緑体アクチン繊維の制御にどのように関与しているかを解析した。 まず、CHUPI-YFPラインを葉緑体光定位運動の制御因子であるJAC1, WEB1, PMI1, PMI2, KAC1KAC2の変異体に掛け合せし、これらの変異体におけるCHUP1の青色光依存的な局在を調べた。その中web1, pmi1, pmi2, kac1kac2の変異体ではCHUP1の青色光依存的な局在が野生型と比べ大きく異なることから、これらの因子は葉緑体光定位運動における信号伝達に関わる因子であり、葉緑体アクチン繊維の制御のみならずCHUP1の制御にも関わっていることが明らかになった。さらに、CHUP1が葉緑体上でアクチン繊維の重合・脱重合に機能している因子である可能性も強く示唆している。 そして、CHUPIがphot2の基質か否か酵母two hybrid系を用いて調べた。この結果、phot2のみならずphot1ともCHUP1の相互作用が得られた。従って、phot1とphot2両者によるCHUP1のリン酸化が葉緑体光定位運動における重要なシグナリング伝達機構であることが明らかになった。また、葉緑体が細胞膜に定位するのに重要な機能を示すCHUP1 N末端のcoiled-coil領域でも青色光依存的なCHUP1の細胞内局在の初期反応を見られることから、phototropinからのリン酸化がこの領域を介して行う可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)