2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21770060
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
齊藤 知恵子 The Institute of Physical and Chemical Research, 中野生体膜研究室, 専任研究員 (10321762)
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Keywords | 液胞 / シロイヌナズナ / 水チャネル / PI3P / オートファジー |
Research Abstract |
高等植物の液胞膜上に生じるサブ領域様構造bulbの研究を,形態学と遺伝学の観点から行ない,以下の結果を得た. 1.形態学:bulbで蓄積あるいは排除される分子の更なる探索 bulbに濃縮あるいは排除される可能性があるマーカーラインを探索した.その結果,フォスファチジルイノシトール3リン酸を可視化するマーカーラインで,bulbが可視化されることがわかった.Bulbの膜は特定の脂質が濃縮している可能性が示唆された. 2.遺伝学:bulbの機能の手がかりを得るために (1)順遺伝学:bulbや液胞膜が異常となる変異体の探索 Pro:AtVAM3:GFP:VAM3/vam3-1を親株として得たEMS変異体プールのM2世代で,巨視的な表現型がvam3-1様になっているもの,その他にも顕著な葉の形態異常などを指標に一次スクリーニングして種を収穫した.現在,顕微鏡観察による二次スクリーニングを継続中である. (2)逆遺伝学:bulbや液胞膜への関与が類推されるもの PSCの吉本光希博士から分与してもらったオートファジー(自食)の変異体(atg2, atg5)と,bulbのマーカーラインであるPro:AtVAM3:GFP:VAM3/vam3-1で交配を行い,atg変異をホモに持つF3種子を得た.F3種子から育てた幼植物を観察したところ,atg2, atg5ともにbulbは観察され,オートファジーはbulb形成のメインの経路ではないことが示唆された.
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