2010 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体からゴルジ体への蛋白質輸送における新規分子機構の解明と発生過程における役割
Project/Area Number |
21770066
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小谷 友也 北海道大学, 大学院・理学研究院, 助教 (70419852)
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Keywords | Mys蛋白質 / 特異的抗体 / 蛋白質間相互作用 / 小胞輸送 / 遺伝子発現阻害 |
Research Abstract |
Mys蛋白質は、我々がゼブラフィッシュにおいて新規に同定した蛋白質で、ほぼすべての脊椎動物のゲノムにこの蛋白質をコードする遺伝子が存在する。したがって、Mys蛋白質は脊椎動物において普遍的な役割を果たす重要な蛋白質だと考えられる。本研究では、Mys蛋白質の全長の中で非常に保存性の高いカルボキシル末端に対する抗体を新規に作製した。この抗体を用いゼブラフィッシュに加えヒト、マウス、アフリカツメガエルにおけるMys蛋白質の発現を確認した。これは、脊椎動物間でゲノムに高度に保存されているmys遺伝子が、実際に蛋白質として発現していることを初めて証明したものである。次に、Mys蛋白質の発現部位を解析した結果、ゴルジ体と細胞質中の小胞に局在することが明らかとなった。我々はタグを付加したMys蛋白質を発現させ、Mysと相互作用する蛋白質を網羅的に解析した。その結果、Sec23a蛋白質を同定した。抗Sec23a抗体を用いMysとSec23a蛋白質の二重染色を行った結果、これらの蛋白質が細胞質、特にゴルジ体において共局在していることが明らかとなった。さらに、抗Mys抗体を用いた免疫沈降と抗Sec23a抗体を用いた免疫沈降から、MysとSec23a蛋白質が共沈降することを示した。すなわち、内在のMysとSec23a蛋白質が相互作用し、特にゴルジ体で機能していることが示唆された。現在、Mys蛋白質のノックダウンによって小胞体およびゴルジ体におけるMysとSec23aの相互作用が果たす役割を明らかすることを目指している。
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