2010 Fiscal Year Annual Research Report
生体外排卵培養系を用いた哺乳類排卵酵素の同定と排卵機構の解明
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21770067
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
荻原 克益 北海道大学, 大学院・理学研究院, 助教 (00422006)
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Keywords | マウス / 卵巣 / 排卵 / プロテアーゼ |
Research Abstract |
本研究の目的は、マウス卵巣の器官培養系を用いた生体外排卵培養系の利用によるマウス排卵酵素の同定である。排卵は、受精可能な卵が卵巣外に放出される過程を指す。卵は濾胞壁とよばれる膜に囲まれており、排卵時、この膜が溶解することにより卵は卵巣外へと放出される。濾胞壁を溶解する酵素(排卵酵素)については、メタロプロテアーゼの阻害剤であるEDTAにより顕著な排卵阻害が確認されたことから、メタロプロテアーゼが最有力候補となっている。さらに、マトリクスメタロプロテアーゼ(MMP)の特異的阻害剤であるGM6001によって、完全にではないが排卵阻害が確認されたことからMMPに焦点を当てて解析を進めた。去年度の解析から排卵前後でmRNAの発現量に差のあるMMPを2種類発見しており、また、これらの抗体も得ていた。そこで、この抗体を用いて、排卵前後におけるタンパク質発現の変動について解析を行ったところ、顕著な発現量の差は確認できなかった。また、これらの抗体を用いて排卵阻害実験を行ったところ、全く排卵を阻害できなかった。これらの結果を受け、今後は、他のMMPについて解析を進めていくとともにMMP以外のメタロプロテアーゼについても解析を行うことが必要と考える。 メダカの排卵研究から排卵酵素として同定されたMT2-MMPについても解析を進めた。MT2-MMPタンパク質は排卵前後において、顕著な発現変動は確認されなかったが、PMSG処理後、活性型MT2-MMPが検出されたことから、この酵素が排卵に関与することが示唆された。今後は、MT2-MMPのノックダウンや特異的抗体を用いた排卵阻害実験といった機能阻害実験を行い、排卵との関連性を調査する予定である。
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[Journal Article] Expression of cyclooxygenase-2 and prostaglandin receptor EP4b mRNA in the ovary of the medaka fish, Oryzias latipes : Possible involvement in ovulation.2011
Author(s)
Fujimori, C., Ogiwara, K., Hagiwara, A., Rajapakse, S., Kimura, A., Takahashi, T.
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Journal Title
Molecular and Cellular Endocrinology
Volume: 332(1-2)
Pages: 67-77
Peer Reviewed
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