2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21770070
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
北野 健 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (40336219)
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Keywords | メダカ / 性分化 / 濾胞刺激ホルモン |
Research Abstract |
本研究では、メダカにおける濾胞刺激ホルモン(FSH)の役割を明らかにするため、FSH受容体の強制発現系統及び変異系統を作製して表現型解析を行う。また、メダカ性分化時期でのFSH受容体の発現パターンには性差が認められるため、この発現制御機構についても解析する。 1.メダカFSH受容体の過剰発現系統と変異系統の作製及び表現型解析 昨年度得られたFSH受容体の強制発現メダカ系統と、FSH受容体の変異メダカ系統の表現型を解析した。FSH受容体の強制発現メダカの生殖腺組織像を観察した結果、正常個体と同様であったことから、FSH受容体の強制発現による生殖腺への影響は認められなかった。一方、FSH受容体のホモ変異XXメダカにおいては、約半数の個体が正常XX個体と同様の生殖細胞数を示したが、残り半数の個体はXY個体と同様の生殖細胞数を示すことが分かった。このように、ホモ変異XX個体の約半数は雄化している可能性が示唆された。 2.メダカFSH受容体の発現制御機構の解析 メダカFSH受容体5'上流域3745bとGFP遺伝子とを連結したプラスミドをメダカ受精卵に顕微注入してfshr-GFPトランスジェニック(Tg)メダカ系統を作製し、この系統の生殖腺におけるGFP mRNAの発現量をリアルタイムPCRにより解析した。その結果、性分化時期でのGFP mRNAの発現パターンは、FSH受容体の発現パターンと同様であったことから、性分化時期でのFSH受容体の発現制御には、5'上流域3745bが重要であると考えられた。
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