2009 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウムシグナルを介した鞭毛・繊毛運動制御機構の解明
Project/Area Number |
21770075
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
柴 小菊 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 助教 (70533561)
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Keywords | 細胞・組織 / 生理学 / 動物 / 鞭毛・繊毛 / 生殖 |
Research Abstract |
本研究では、繊毛・鞭毛が細胞外の環境に応じて瞬時に反応し運動を変化させるメカニズムを明らかにするために海産動物精子および幼生を材料に鞭毛・繊毛が精子誘引物質や神経伝達物質によって運動を変化させる時のカルシウムによる調節機構に着目し、「カルシウムシグナルを介した鞭毛・繊毛運動制御機構の解明」に取り組んでいる。平成21年度は、カタユウレイボヤ精子走化性における鞭毛運動制御機構の解明についてはNa+/Ca2+ exchangerなどのCa2+流出入に関わる分子の阻害剤や外液カルシウム濃度変化によってCa2+動態を変化させたときの鞭毛内Ca2+および鞭毛波形との関係を明らかにした。また、走化性運動時のカルシウム流入のタイミングを元に精子がいつどこで誘引物質を関知し遊泳を変化させるのかについてシミュレーション解析を行った。これらの結果についてThe 5th International Tunicate Meeting、Gordon Research Conference : Fertilization and the Activation of Developmentにおいて報告した。また、ウニ幼生繊毛逆転反応における繊毛運動制御機構の解明については、繊毛逆転反応に関わると考えられるL型膜電位依存性カルシウムチャネルに着目し、バフンウニでのクローニングを行い、モルフォリノ解析を進めている。顕微鏡用LEDストロボ照明装置の改良についても新型LEDを導入し装置の改良を行った。また、カタユウレイボヤ精子において走化性と同様にカルシウムシグナルが重要な引き金となる卵由来物質による鞭毛運動活性化についても、カルシウムシグナルによって活性化されると考えられるアデニル酸シクラーゼに着目し分子の同定およびシグナル伝達経路の解明を行い、日本動物学会第80回大会、The International Workshop Dynein 2009、生体運動研究合同斑会議において成果報告を行った。
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