2009 Fiscal Year Annual Research Report
カタユウレイボヤのオキシトシン・バソプレシン様ペプチドの動態解析
Project/Area Number |
21770082
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Research Institution | Suntory Institute for Bioorganic Research |
Principal Investigator |
川田 剛士 Suntory Institute for Bioorganic Research, 研究員 (90300821)
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Keywords | 神経生物 / バソプレシン |
Research Abstract |
A. トランスジェニックホヤの作製 カタユウレイボヤは外皮が半透明なことから、蛍光タンパク質の検出が容易である。したがって、追跡したい分子がこの蛍光タンパク質と融合すれば、この分子の動態をホヤが生きたまま直接的に観測できる。我々はホヤバソプレシン/ホヤニューロフィジン(Ci-VP/Ci-NP)遺伝子と蛍光タンパク質遺伝子の融合遺伝子をゲノムに組み込んだトランスジェニックホヤを作製し、その観察によりCi-VPの動態を解明すべく研究を遂行した。最初に、我々は上記融合遺伝子を含むホヤゲノム挿入用プラスミドを作製した。次に、ホヤ卵にこのプラスミドを電気穿孔により導入し、これらから良質の個体を選択・育成することにより、Ci-VP/Ci-NP遺伝子をゲノムに挿入したトランスジェニックホヤ系統の確立に成功した。この系統樹立は動態解析において必要不可欠であり、これを用いた解析からCi-VPの詳細な分子機構や生理機構の解明につながることが期待できる。 B. Ci-VPとホヤニューロフジン(Ci-NP)の分子相互作用解析・Ci-NPの機能解析 Ci-NPはCi-VPと結合してその細胞内輸送を補助する役割をもつタンパク質である。我々はこのCi-NPに蛍光タンパク質を融合させることにより、擬似的にCi-VPの動態を追跡することを着想した。この実験を成立させるための前提条件として、Ci-NPがCi-VPと相互作用して正常に機能することを確認する必要がある。我々はこれらの相互作用の検証に必要なCi-NPを取得すべく、カイコ幼生でのCi-NP大量発現実験を行った。その結果一定量のCi-NPがカイコ幼生で発現していることを確認できた。一方、Ci-NPが正常に機能することを確認するために、Ci-NP配列に変異導入した複数のプラスミドを作製した。今後、これらの材料を用いて、上記の前提条件が正しいことを証明する。
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Research Products
(5 results)