2009 Fiscal Year Annual Research Report
繁殖様式の違いが遺伝構造に与える影響を分子植物地理学的に解明する
Project/Area Number |
21770092
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
瀬尾 明弘 Research Institute for Humanity and Nature, 研究部, プロジェクト研究員 (30378567)
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Keywords | 分子植物地理 / 遺伝構造 / 繁殖様式 / 被子植物 / シダ植物 / 日本列島 |
Research Abstract |
今年度は,瀬尾明弘による野外調査を行った。1回目は6月1日から4日にかけて岡山県真庭市・新見市,広島県庄原市・神石高原町に調査に行き,対象とする複数の植物種の材料採集を行った。2回目は7月6日から9日にかけて石川県加賀市,羽咋郡志賀町,富山県氷見市,富山市において,対象とする複数の植物種の試料収集を行った。3回目は8月3日から7日にかけて京都府福知山市・美山町・舞鶴市,滋賀県伊香郡木之本町・余呉町において複数の植物種の試料収集を行った。今回,収集できた試料は現地においてシリカルをいてさせて,京都市にある総合地球環境額研究の実験室に持ち帰った。また,DNA抽出に用いる部分以外の植物体は雌雄性の確認のために証拠標本を作成した。持ち帰った試料はCTAB法を用いて全DNAを抽出した。その後,サーマルサイクラーを用いて葉緑体DNAの1領域(予備解析で多型があることが分かっている領域)をPCR増幅した。増幅を行った領域の塩基配列を決定し,比較を行った。解析を行ったデータは地理情報システムで解析を行うために,データベースを構築した。その結果,植物種の中には明瞭な地理的な遺伝構造を示さなかったものもあった。予備的解析で多型のあることが分かっていた1領域をそれぞれの植物種で解析をしたので,分子情報量が十分でなかった可能性が高い。さらに,解析の可能な情報量を増やすために,予備解析で用いた領域以外にも増幅させ,塩基配列を決定し比較をしているところである。
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