2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21770103
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
HALL Damien University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 助教 (50447950)
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Keywords | アルツハイマー病 / アミロイド仮説 / アミロイドの速度論 / アミロイドの位置効果 / アミロイドの形成と解離 |
Research Abstract |
我々は、未だ重要視されていない、アミロイドの形成や解離の速度とそれが起こる位置との関係を調べる研究計画を提示しました。最初に我々は、アミロイドの形成過程におけるその速度を求める手段として、アミロイド原性タンパク質が形成されるのを助長するような構造的要因の解明を試みました。研究計画において、我々はその構造的要因を調べるために、実験的なモデルと理論的なモデルを組み合わせることを提案し、実際に当該年度では、これら両方のモデルの構築を良好に進めることができました。理論的、あるいはコンピューターを用いたモデルに関しては、小線維の成長と破砕に対する簡単なモデルを構築することに成功しました。そして、このモデルを用いて病気に関連したアミロイドの新たな仮説について論文発表をすることができました。また、小線維内部で起こる断片化の割合がアミロイドの長さや構造に与える影響についても調べることができ、これについても近々論文で発表する予定です。実験的なモデルの開発に関しては、Aβペプチドのペプチド断片やインシュリン、アミリンからアミロイド線維を作製することに成功しました。現在、我々は2つの方法を確立してこれらのアミロイド線維の成長速度を調べています。1つは小線維に結合するリガンド量を経時的に測定することで生成したアミロド線維量を求める方法で、もう1つは電気泳動を用いて時間ごとに生成されたアミロイド線維量を求める方法です。これらの基本的なモデルが十分に機能することを確認したのち、次の段階として、ペグ化された薬品を用いたペプチド実験用にこれらのモデルを改良していく予定です。
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